大判例

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東京地方裁判所 昭和35年(ワ)3521号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕原告は、仲介依頼人が業者を排除して直接相手方と契約を締結した場合にも、右告示最高額の報酬を請求できる旨主張し、原告の援用する前掲甲第一号証中には右主張に副う如き供述記載があるけれども、右記載部分はにわかに採用できない。けだし、仲介依頼人が仲介料の支払を免れるため売買契約締結の直前に業者を排除して直接契約を成立させた場合ならともかく、前示認定のように、業者として通常なさるべき売買成立に至るまでの一連の行為中、物件の紹介、瑕疵の調査及び売買条件の交渉はなされたが結局右条件が折合わず、その後の折衝売買契約の締結、履行の確認等の事務処理が残された状態で進展しなかつた場合にまで、告示最高額を請求しうるとすると著しく業者に有利な結果となるので、依頼人が故意に業者の事務処理を不能ならしめる等他に特段の事情の存しないかぎり原告の右主張は容認し難く、本件においてそのような特段の事情を認めるに足る証拠はない。

そこで、その報酬額について按ずるに不動産業者にとつて目的物件の捜索、紹介それ自体が主要な商品価値を有するものであることを斟酌考量したうえ、業者の既になした紹介、斡旋が売買成立に寄与した割合に応じた報酬額をもつて相当と解するところ、これを本件についてみると、前記認定程度の斡旋尽力が売買成立に寄与した範囲における原告の報酬額は、規定報酬額の八割をもつて妥当と考える。すなわち、原告は、本件取引価格である一八〇万円の四分に当る金七二、〇〇〇円の報酬請求権を有するものというべきである。(土田勇)

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